研究者総覧

林田 敏子Hayashida Toshikoハヤシダ トシコ

所属部署名研究院生活環境科学系生活文化学領域
職名教授
Last Updated :2024/04/15

researchmap

プロフィール情報

  • 林田, ハヤシダ
  • 敏子, トシコ

学位

  • 文学博士, 奈良女子大学, 1999年03月

研究分野

  • 人文・社会, ヨーロッパ史、アメリカ史

経歴

  • 2020年09月, 9999年, 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授
  • 2016年04月, 2020年08月, 摂南大学, 外国語学部, 教授
  • 2006年04月, 2016年03月, 摂南大学, 外国語学部, 准教授
  • 2005年04月, 2006年03月, 摂南大学, 外国語学部, 専任講師
  • 2001年04月, 2005年03月, 摂南大学, 国際文化学部, 専任講師
  • 1999年04月, 2001年03月, 日本学術振興会特別研究員

学歴

  • 1999年03月, 奈良女子大学大学院, 博士課程人間文化研究科, 比較文化学専攻
  • 1996年03月, 奈良女子大学大学院, 修士課程文学研究科, 史学専攻
  • 1994年03月, 奈良女子大学, 文学部, 史学科西洋史学専攻

Ⅱ.研究活動実績

論文

  • 査読無し, 英語, Urban Scope: e-journal of the Urban-Culture Research Center, OCU, Museum as Propaganda: War Exhibitions in Britain during the First World War, Toshiko Hayashida, 2021年07月, 12, 57, 64, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読あり, 日本語, 歴史評論, 軍隊とマスキュリニティ―第二次世界大戦期イギリスにおける女性同性愛をめぐって―, 林田敏子, 2020年07月, 843, 29,55, 67
  • 査読あり, 日本語, 西洋史学, 第一次世界大戦の記憶とジェンダー―イギリスにおける帝国戦争博物館と女性労働小委員会―, 林田敏子, 2019年06月, 267, 36, 56, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読あり, 英語, ZINBUN, Institute for Research in Humanities Kyoto University, Women in Combat: Gender and the Armed Forces in Great Britain and Japan during the Second World War, 林田 敏子, VariaThe aim of this paper is to explore the gender problems raised by the mobilisation of women in the wartime services in Great Britain and Japan during the Second World War. Both countries faced the threat of land invasion and introduced women into the armed forces. In the case of Britain, while young single women were conscripted as regular members of the military, they were not qualified as combatants. In Japan, towards the end of the war, the government prepared for 'decisive battles' by organising combat forces under the direction of the regular army, which included women as well as men. These combat forces were actually formed in some regions. Their members, including women, were not considered regular soldiers, but they were supposed to be given the status of combatants. On the contrary, the British government, which tried to maintain male supremacy in the military, strictly prohibited women from undertaking combat missions. However, it was not very easy to draw a clear boundary between combat and non-combat actions because the difference between defence (air defence) and offence (counter-attacks) had become paper-thin. Women who were assigned to anti-aircraft units quietly encroached on the intended gender barriers in the military, which presented a challenge to the conventional gender norms., 2016年03月, 46, 46, 161, 178, 研究論文(学術雑誌), 10.14989/209944
  • 査読あり, 日本語, 女性史学, 女性史総合研究会, 「女性徴兵」はいかにして可能になったか―第二次世界大戦期イギリスにおける女性の軍事動員―, 林田 敏子, 2015年07月, 25, 1月18日, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読無し, 日本語, 科学研究費基盤研究(B)共同資料集 「マスキュリニティ」の比較文化史―公私関係の再検討に向けて― (研究代表者 三成美保), 「戦う女」とマスキュリニティ―第一次世界大戦期イギリスにおけるジェンダーとミリタリズム―, 林田 敏子, 2012年03月, 77, 91, 研究論文(その他学術会議資料等)
  • 査読無し, その他, 『歴史学研究』(歴史学研究会)860号, 警察とジェンダー-20世紀イギリスにおける女性警察-, 林田敏子, 2009年11月, 26, 35
  • 査読無し, 日本語, 西洋史学, 日本西洋史学会, 制服の時代とイギリス- ジェンダー・セクシュアリティ・第一次世界大戦-, 林田 敏子, 2008年12月, 231, 43, 64
  • 査読無し, 日本語, 摂大人文科学, 摂南大学国際言語文化学部, 富と国家―パトリック・カフーンと18、19世紀転換期イギリス社会―, 林田 敏子, 2003年09月, 11, 3, 37, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • 査読あり, 日本語, 史林, 京都大学史学研究会, マリン・ポリスと港湾労働者の世界―ロンドン港における1798年暴動を手がかりに―, 林田 敏子, 2001年11月, 84, 6, 105, 138, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読無し, 日本語, 奈良史学, 奈良大学史学会, イギリス首都警察改革再考―1829年法施行の背景―, 林田 敏子, 1999年12月, 17, 79, 97, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • 査読あり, 日本語, 史林, 京都大学史学研究会, ヴィクトリアン・ボビーの形成―『ポリス・ガーディアン』に見る警官の職業意識―, 林田 敏子, 1999年11月, 82, 5, 68, 101, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読あり, 日本語, 西洋史学, 日本西洋史学会, イギリス新警察の社会的受容―警察批判の性質と変化を中心に―, 林田 敏子, 1998年06月, 189, 25, 42, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読無し, 日本語, 人間文化研究科年報, 奈良女子大学大学院人間文化研究科, ディケンズと警察―ヴィクトリア朝イギリス社会の警察観―, 林田 敏子, 1998年03月, 13, 71, 79, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • 査読無し, 日本語, 寧楽史苑, 奈良女子大学史学会, 十九世紀イギリス新警察の誕生―州警察改革を中心に―, 林田 敏子, 1997年02月, 42, 42, 1月19日, 19, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • 日本語, 寧樂史苑, 軍隊のなかの女性たち―回想録から読み解く第一次世界大戦の記憶―, 林田敏子, 2022年02月, 67, 33, 50, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読あり, 日本語, 日本ジェンダー研究, 覇権的マスキュリニティの揺らぎ?―第一次世界大戦期イギリスにおける「弱き男」をめぐって―, 林田敏子, 2021年10月, 24, 11, 23, 研究論文(学術雑誌)
  • その他, 関学西洋史論集, 「忘れられた軍隊」―第二次世界大戦の記憶とイギリス陸軍防空部隊の女性たち―, 林田敏子, 2023年03月, 46
  • その他, ジェンダー研究, 第二次世界大戦期イギリスの男女混成防空部隊, 林田敏子, 2023年02月, 25

MISC

  • 査読無し, 日本語, 図書新聞, 雑誌のカバーガールという「虚構」から浮かび上がる世界大戦, 林田敏子, 2021年06月05日, 3498, 3, 書評論文,書評,文献紹介等
  • 査読無し, 日本語, アジア・ジェンダー文化学研究, 書評 上羽陽子・山崎明子編『現代手芸考―ものづくりの意味を問い直す』フィルムアート社、2020年, 林田敏子, 2021年03月, 5, 103, 107, 書評論文,書評,文献紹介等
  • 日本語, 家政学研究, 奈良女子大学家政学会, 研究のあゆみ―大戦史の「ジェンダー的転回」へ向けて―, 2021年年3月, 67, 2, 29, 33
  • 査読あり, 日本語, 西洋史学, 書評 石井香江著『電話交換手はなぜ「女の仕事」になったのか―技術とジェンダーの日独比較―』, 林田敏子, 2020年01月, 268, 126, 128, 書評論文,書評,文献紹介等
  • 査読あり, 日本語, ジェンダー史学, 書評 望戸愛果『「戦争体験」とジェンダー―アメリカ在郷軍人会の第一次世界大戦巡礼を読み解く―』, 林田敏子, 2019年10月, 15, 64, 67, 書評論文,書評,文献紹介等
  • 査読あり, 日本語, 女性とジェンダーの歴史, 書評 レギーナ・ミュールホイザー著(姫岡とし子監訳)『戦場の性―独ソ戦下のドイツ兵と女性たち―』, 林田敏子, 2018年03月15日, 5, 82, 85, 書評論文,書評,文献紹介等
  • 査読あり, 日本語, 女性とジェンダーの歴史, イギリス女性史研究会, セクシュアリティ研究の現在, 林田敏子, 2017年03月, 4, 41, 49
  • 査読無し, 日本語, 女性とジェンダーの歴史, イギリス女性史研究会, 「書く女」と大戦回想録―「女性の語り」を問う意義―, 林田 敏子, 2014年11月, 2, 69, 70, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
  • 査読無し, 日本語, ヴィクトリア朝文化研究, 日本ヴィクトリア文化研究学会, 社会秩序とヴォランタリズム―犯罪訴追協会を中心に―, 林田 敏子, 2014年11月, 12, 44, 52, 記事・総説・解説・論説等(学術雑誌)
  • 査読無し, 日本語, 図書新聞, (株)図書新聞, 女が大戦を語るとき―「塹壕神話」の壁をこえて―, 林田 敏子, 2014年09月, 3173, 2, その他
  • その他, 史学雑誌, ヨーロッパ(現代―イギリス)2021年の歴史学界―回顧と展望―, 林田敏子, 2022年05月, 131, 5, 374, 378
  • その他, 『ゲシヒテ』(ドイツ現代史研究会), 書評 北村陽子著『戦争障害者の社会史―20世紀ドイツの経験と福祉国家―』名古屋大学出版会、2021年, 林田敏子, 2023年, 16, 81, 84

書籍等出版物

  • 論点・西洋史学, ミネルヴァ書房, 金澤周作監修, セクシュアリティ, 2020年04月, その他, その他
  • 越境する歴史家たちへ:「近代社会史研究会」(1985-2018)からのオマージュ, ミネルヴァ書房, 谷川 稔; 川島昭夫; 南 直人; 金澤周作, 第4章15「記憶のなかの近社研」, 2019年05月30日, 376, 日本語, その他, 462308566X
  • 人文学宣言, ナカニシヤ出版, 山室信一編, 2019年03月16日, 217ページ, 194-197, 日本語, 査読無し, その他, 9784779513510
  • 第一次世界大戦を考える, 共和国, 藤原辰史; 林田敏子他, 欧州の深淵で「女が大戦を語るとき」, 2016年04月20日, 269, 182-184, 日本語, 査読無し, その他
  • 異端者たちのイギリス, 共和国, 志村真幸; 林田敏子, 大戦・ファシズム・同性愛―戦間期における異性装の解釈学―, 2016年04月16日, 513, 112-135, 日本語, 査読無し, その他
  • 『現代の起点 第一次世界大戦(第2巻)総力戦』, 岩波書店, 山室信一他, 第9章「女性であること、兵士であること―バルカンの女性兵士フローラ・サンデスの大戦経験―」, 2014年05月, 267, 217-240, 日本語, 査読無し, その他
  • 海のイギリス史―闘争と共生の世界史―, 昭和堂, 金澤周作; ほか, 第1部 第4章 「港―繁栄の光と影―」, 2013年07月, 376, 102-124, 日本語, 査読無し, その他, 4812213320
  • 戦う女、戦えない女―第一次世界大戦期イギリスのジェンダーとセクシュアリティ―, 人文書院, 林田 敏子, 2013年05月, 162, 1-162, 日本語, 査読無し, その他
  • 警察, ミネルヴァ書房, 大日方純夫ほか, 序章 警察の比較研究にむけて 第6章 イギリス警察と「近代」, 2012年01月, 463, 2-14, 236-274, 日本語, 査読無し, その他, 9784623061235
  • イギリス近代警察の誕生, 昭和堂, 林田 敏子, 2003年03月, 249, 1-249, 日本語, 査読無し, その他, 4812201195
  • 歴史学事典 第9巻 法と秩序, 弘文堂, 山本博文, 「スコットランド・ヤード」, 2002年02月, 747, 368, その他, 査読無し, その他
  • ニュー・ヒストリーの現在, 人文書院, 谷川稔ほか, 第10章 身体の歴史, 1996年06月, 352, 245-271, 日本語, 査読無し, その他
  • 『岩波講座 世界歴史』第20巻 二つの大戦と帝国主義 I 二〇世紀前半, 岩波書店, 女性と参政権運動, 2022年09月, ix, 287p, 日本語, その他, 9784000114301
  • ジェンダー事典, 丸善出版, 松本悠子他編, 男性性(マスキュリニティ)/ 女性性(フェミニニティ), 2024年02月, その他, その他
  • 論点・ジェンダー史学, 山口みどり; 弓削尚子; 後藤絵美; 長志珠絵; 石川照子編, 第一次世界大戦と女性, 2023年06月, その他, その他
  • 平和学事典, 丸善出版, 日本平和学会編, 女性の軍事動員と主体性, 2023年06月, その他, その他, 9784621308080
  • 〈ひと〉から問うジェンダーの世界史 第1巻 「ひと」とはだれか?―身体・セクシュアリティ・暴力―, 大阪大学出版会, 三成美保; 小浜正子; 鈴木則子, 「男性」もつくられる―軍隊とマスキュリニティー, 2024年02月, その他, その他

講演・口頭発表等

  • 林田敏子, 国内, 奈良女子大学 神戸女学院大学合同研究会, グローバル・ヒストリーのなかの女性参政権, 口頭発表(招待・特別), 2021年03月01日
  • 林田敏子, 国内, ドイツ現代史研究会, 書評 北村陽子著『戦争障害者の社会史―20世紀ドイツの経験と福祉国家―』, 口頭発表(一般), 2021年10月24日, 日本語
  • 林田敏子, 国内, 日本ジェンダー学会 第23回大会シンポジウム「マスキュリニティの現在―男の《困難》をめぐって―」, 覇権的マスキュリニティの揺らぎ?―第一次世界大戦期イギリスにおける「弱き男」をめぐって―, シンポジウム・ワークショップパネル(指名), 2020年09月27日, 日本語
  • 林田敏子, 第6回都市文化研究フォーラム「市民社会と軍事―多様なメディアから紐解く」(大阪市立大学大学院文学研究科都市文化研究センター), 博物館というメディア―第一次世界大戦期イギリスにおける戦争展―, 2020年02月14日, 日本語
  • 林田敏子, イギリス史研究会 第46回例会, 軍隊のなかの女性たち―回想録から読み解く第一次世界大戦の記憶―, 2019年03月23日, 日本語
  • 林田敏子, 日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(S)「アフリカ潜在力」と現代世界の困難の克服 シンポジウム「アフリカにおける女性兵士―エチオピアとウガンダの事例から―」, コメント, 2017年01月29日, 日本語
  • 林田 敏子, Fighting Women during and after the Second World War in Asia and Europe, 戦場の女性たち―第二次世界大戦中のイギリスと日本におけるジェンダーと軍隊―, 2014年06月, 英語, 第二次世界大戦中、多くの女性が軍需産業や戦争奉仕活動に大量動員された。とりわけ軍事目的での女性動員には、各国の戦況のゆくえとジェンダー認識に対する違いが少なからず反映されている。本発表では、敵軍の上陸、すなわち「銃後の前線化」という危機に直面したイギリスと日本を比較しながら、女性の軍事動員が引き起こすジェンダー問題について考察した。, 国際会議
  • 林田 敏子, 軍隊のなかの女性たち―二つの大戦に見るジェンダーとセクシュアリティ―, 2014年02月, 日本語, 戦争とジェンダー表象研究会, 京都大学地域研究情報統合センター
  • 林田 敏子, 社会秩序とヴォランタリズム―犯罪訴追協会を中心に―, 2013年09月, 日本語, 日本ヴィクトリア朝文化研究学会, 甲南大学
  • 林田 敏子, 小シンポジウム「第一次世界大戦再考」 コメント「ジェンダーの視点から」, 2013年05月, 日本語, 日本西洋史学会, 京都大学
  • 林田 敏子, プロフェッションかスペシャリストか―第一次世界大戦期イギリスにおける女性警察―, 2011年12月, 日本語, イギリス女性史研究会, 青山学院女子短期大学
  • 林田 敏子, 「戦う女」のマスキュリニティ―第一次世界大戦期のイギリスを例に―, 2011年02月, 日本語, 比較女性史研究会
  • 林田 敏子, 共同研究「第一次世界大戦の総合的研究」, フェミニストとして、ファシストとして―あるイギリス人女性と世界大戦―, 2010年02月, 日本語, 京都大学人文科学研究所, 京都大学人文科学研究所
  • 林田 敏子, 「越境する歴史学」研究会, 制服の時代?第一次世界大戦期イギリスにおけるジェンダーとセクシュアリティ?, 2007年11月, 日本語
  • 林田敏子, 日本ジェンダー学会 第23回大会 大会シンポジウム, 覇権的マスキュリニティの揺らぎ?―第一次世界大戦期イギリスにおける「弱き男」をめぐって―, 2020年09月27日, 日本語
  • 林田敏子, 関学西洋史研究会 第24回年次大会, 大戦・記憶・ジェンダー―第二次世界大戦期イギリスにおける男女混成防空部隊―, 2022年11月29日, その他
  • 林田敏子, イギリス女性史研究会 第39回研究会 シンポジウム「インターセクショナルな視点を採り入れる」, 性の抑圧から解放へ?―レズビアニズムとインターセクショナリティー, 2023年06月24日, その他

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 基盤研究(C), 2019年04月01日, 2023年03月31日, 19K01068, 戦争が歴史化される過程~第一次世界大戦期イギリスにおける戦争博物館とジェンダー~, 林田 敏子, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 摂南大学, 4290000, 3300000, 990000, 本研究はイギリスのジェンダー構造に大きな変化をもたらした第一次世界大戦を、戦争博物館という媒体を通して考察しようとするものである。 本年度は帝国戦争博物館のコレクションを収集した委員会の一つである女性労働小委員会に焦点をあて、「女性が女性をコメモレイト(顕彰)する」ことに大きな意義を見出した同委員会が発揮したイニシアティヴとその限界に迫った。とくに絵画や写真、模型といった美術史料・ビジュアル史料の収集過程に着目することで、女性労働小委員会がテーマ設定、画家の選定から制作依頼まで一手に引き受け、博物館のコレクションづくりに積極的に関与した事実を明らかにした。小委員会の報告書や調査書、女性写真家の回想録といった史料の分析を通して、女性労働小委員会のコレクション・ポリシーを明確化するとともに、企画から収集、展示までの一連のプロセスを再構成することで、小委員会が直面した問題を当時のジェンダー概念との関わりのなかで考察した。以上の研究成果をもとに、論文'Museum as Propaganda'を執筆し、UrbanScope(12,2021)に発表した。 また、捕虜、脱走兵、良心的兵役拒否者など、コメモレイトの対象から排除されてきた「弱き男たち」に焦点をあてることで、戦争博物館が描く戦時マスキュリニティの揺らぎについても考察した。兵士として勇敢に戦うことがマスキュリニティの核となる戦時にあって、戦争神経症に罹患した兵士たちは、自らが喪失したマスキュリニティをいかに回復しようとしたのか。戦後に立ち上げられた戦争神経症に関する調査委員会での証言に着目しながら、伝統的な戦時マスキュリニティがいかに修正され、再構築されたかを「覇権的マスキュリニティの揺らぎ?」と題する論文にまとめ『日本ジェンダー研究』(24,2021年)に発表した。, kaken;rm:published_papers;rm:published_papers;rm:misc
  • 基盤研究(C), 2015年04月, 2019年03月, 15K02965, 女が戦争を語るとき―ライフ・ヒストリーのなかの世界大戦―, 林田 敏子, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 摂南大学, 4550000, 3500000, 1050000, 本研究は20世紀におこった二つの世界大戦を、戦間期を含めた一連の社会変動ととらえることで、大戦がジェンダー構造に与えたインパクトを長期的視野でさぐることを目的としたものである。両大戦期を生きた女性、なかでも軍事組織の末端を占めた「普通の」女性たちの大戦経験に焦点をあて、1930年代、50年代、70年代を画期とする「大戦の語り」の変遷と特徴を明らかにすることを試みた。個人の経験や語りが「戦後」という長い時空間のなかで記憶化・歴史化されるプロセスを、大戦像が構築/ 再構築される過程として歴史的に再考した。, kaken_url;kaken
  • 基盤研究(C), 2012年04月, 2015年03月, 24520849, 女のマスキュリニティ―第一次世界大戦期イギリスにおけるジェンダーとミリタリズム―, 林田 敏子, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 基盤研究(C), 摂南大学, 5200000, 4000000, 1200000, 本研究が対象とするのは、第一次世界大戦中にイギリス陸軍の女性部隊に入隊した女性たちである。「女の居場所」である銃後の世界を離れ、軍隊の「なか」に足を踏み入れた女性たちは、銃後の女性との断絶意識を強くもつとともに、武器をとって戦う兵士との間にも自ら明確な一線を引いた。銃後の女性とも、戦場の兵士とも同一化されない「戦う女」のこうした心性は、男性の身体をこえた「女のマスキュリニティ」という概念でこそとらえることができる。それは、兵士(男性)のマスキュリニティと銃後の女性のフェミニニティを脅かしただけでなく、それまで当然視されてきたマスキュリニティとミリタリズムの一体性をも破壊したのである。, kaken_url;kaken
  • 若手研究(B), 2007年, 2011年, 21720277, フェミニズムとファシズムの「接点」-メアリ・アレンと戦間期イギリス社会-, 林田 敏子, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 摂南大学, 4030000, 3100000, 930000, 女性参政権獲得後、フェミニズム運動が分裂の危機におちいるなか、ファシズムに惹かれていったメアリ・アレンは、ファシスト組織British Union of Fascistsに入党したあとも、フェミニストとしての自己意識を失わなかった。彼女のような「フェミニスト・ファシスト」は、こうした特殊な状況下でこそ成立しうる概念であり、フェミニズム運動とファシズム運動の「共闘」は、戦間期イギリス社会のもっとも大きな特徴を表しているといえる。, kaken_url;kaken
  • 若手研究(B), 2005年, 2007年, 17720196, 保主主義・性・階級-20世紀初頭イギリス女性警察を通して-, 林田 敏子, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 摂南大学, 3500000, 3500000, 第一次世界大戦期のイギリスでは「カーキ・フィーバー」と呼ばれる制服熱が高まり、多くの女性が制服を着用する職業に殺到した。女性による制服の着用は、愛国心を表明する手段として社会の一定の理解を得る一方、男と女の境界を侵犯する行為として危険視された。本研究では、イギリス初の女性警察組織(Women Police Service:WPS)の制服をめぐっておこなわれた裁判を通して、大戦期におけるジェンダーとセクシュアリティの問題について考察した。裁きの主たる対象となったWPSの指導者M・アレンにとって、制服は旧来のジェンダー秩序を打ち破り、男性の領域に進出する道具であると同時に、自らの性的アイデンティティ(レズビアニズム)を表現する手段でもあった。 本研究では、当時のイギリスで、レズビアニズムという概念がまだ流布していなかった事実に注目し、性科学の分野で女性同士のホモセクシュアル行為がどのようにとらえられていたのか分析するとともに、そうした概念が知的フィールドを越えて社会に広まった契機・背景・過程について考察した。制服裁判は、アレンのセクシュアリティを「暴露」することによって、レズビアニズムが概念化されるきっかけをつくるとともに、男性だけでなく女性のあいだにもホモセクシュアルの関係が成り立つとする点で「性的平等化」の契機にもなりうるものだった。第一次世界大戦は「レズビアニズムの発見」というもっとも極端なかたちで、女性のセクシュアリティに関する規範を破壊し、従来のジェンダー秩序に大きな修正を迫ったのである。 以上の成果をもとに、研究会で口頭発表(於「越境する歴史学」2007年11月11日)をおこなった上で、論文「制服の時代-第一次世界大戦期イギリスにおけるジェンダーとセクシュアリティ-」を執筆し、『西洋史学』(日本西洋史学会)に投稿(2008年2月)した。, kaken
  • 若手研究(B), 2002年, 2004年, 14710267, 近代イギリス警察の社会史研究-「地域」の視点から-, 林田 敏子, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 若手研究(B), 摂南大学, 3900000, 3900000, イギリス初の国家警察となったテムズ・ポリスの有給判事、ジョン・ハリオットの汚職事件を追った。1809年から数年にわたって審理されたハリオットの裁判は、脱税・密輸・公金横領・便宜供与など53もの事件で構成され、皮肉にもそれは、ロンドン港で繰り広げられるあらゆる「犯罪」を網羅したものであった。膨大な量の裁判記録を分析することで明らかになったのは、ハリオットの「汚職」が、税関役人や港湾労働者、船主や荷主、故買屋や窃盗団に至るまで、ロンドン港に生きる多くの人びとに「支えられる」形ではじめて可能になった点である。事務官による内部告発でありながら、有罪判決が下されたのがわずかに1件であったという事実が、法廷に立った多くの「関係者」の証言がハリオットにいかに有利に働いたかを物語っている。汚職判事を中心とした強固な腐敗構造が、ロンドン港全体を広く覆っていたのである。 裁判は汚職事件の枠をこえ、警察あるいは治安維持のあり方をめぐる大論争へと発展した。「予防」「起訴」「裁判」3つの機能を備えた唯一の警察であったテムズ・ポリスは、国家の後ろ盾と有給判事という革新性をもってしても、18世紀の「旧き腐敗」を打破することはできなかった。法廷機能を備えた予防警察の「限界」をあぶりだしたハリオット裁判は、「予防」と「検挙」に特化した警察の導入議論に拍車をかけるとともに、国家警察の是非についても大きな見直しをせまることになった。現代的な意味での「法廷」と「警察」が「切り離された」瞬間であったといえよう。以上の成果をもとに、現在、「19世紀初頭のロンドン港と『汚職判事』-先駆的国家警察の「限界」-」(仮題)と題した論文を執筆中である。, kaken
  • 特別研究員奨励費, 1999年, 2000年, 99J03765, 近代イギリス警察の社会史的研究, 林田 敏子, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費, 京都大学, 1600000, 1600000, kaken
  • イギリス警察史, 0, 0, 0, 競争的資金
  • 大戦とフェミニズム・ファシズム, 0, 0, 0, 競争的資金
  • 女性警察とジェンダー・階級・セクシュアリティ, 0, 0, 0, 競争的資金
  • 基盤研究(C), 2023年04月, 2028年03月, 「感情の共同体」としての軍隊―第二次世界大戦期イギリスのマスキュリニティーズー, 林田敏子, 日本学術振興会, 科学研究費女性事業 基盤研究(C), 奈良女子大学


Copyright © MEDIA FUSION Co.,Ltd. All rights reserved.