研究者総覧

片桐 民陽KATAGIRI Minyoカタギリ ミンヨウ

所属部署名研究院自然科学系数学領域
職名准教授
Last Updated :2024/11/02

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プロフィール情報

  • 片桐, カタギリ
  • 民陽, ミンヨウ

学位

  • 修士(理学)
  • 博士(理学)

研究キーワード

  • グラフ多項式,カテゴリー化,コホモロジー群

研究分野

  • 自然科学一般, 幾何学

経歴

  • 1996年, 1999年, 奈良女子大学理学部講師
  • 1996年, 1999年, Nara Women's University, Assistant Professor
  • 1999年, 奈良女子大学理学部助教授
  • 1999年, Nara Women's University, Assosiate Professor
  • 1994年, 1996年, 奈良女子大学理学部助手
  • 1994年, 1996年, Nara Women's University, Assistant

学歴

  • 1994年, 慶應義塾大学, 理工学研究科, 数理科学
  • 1990年, 慶應義塾大学, 理工学部, 数理科学/数学

担当経験のある科目(授業)

  • 位相と多様体論, 奈良女子大学
  • 数物通論2(A), 奈良女子大学
  • 数学通論Ⅱ, 奈良女子大学
  • 集合・位相, 奈良女子大学
  • 微分積分学Ⅱ(B), 奈良女子大学
  • 微分積分学概論Ⅱ(A), 奈良女子大学
  • 集合・位相, 奈良女子大学
  • 微分幾何学演習, 奈良女子大学
  • 数学通論II, 奈良女子大学
  • 微分幾何学, 奈良女子大学
  • 集合・位相演習, 奈良女子大学
  • 曲面と多様体演習, 奈良女子大学
  • 曲面と多様体, 奈良女子大学
  • 多様体論, 奈良女子大学
  • 幾何学II演習, 奈良女子大学
  • 集合・位相II, 奈良女子大学
  • 幾何学I演習, 奈良女子大学
  • 集合・位相I, 奈良女子大学
  • 解析概論Ⅰ演習, 奈良女子大学
  • 幾何学Ⅰ演習, 奈良女子大学

所属学協会

  • 日本折紙学会
  • 形の科学会
  • 日本数学会

Ⅱ.研究活動実績

論文

  • 査読あり, 英語, PROCEEDINGS OF THE JAPAN ACADEMY SERIES A-MATHEMATICAL SCIENCES, On conformally flat critical Riemannian metrics for a curvature functional, M Katagiri, The normalized L-2-norm of the traceless part of the Ricci curvature defines a Riemannian functional on the space of Riemannian metrics. In this paper, we will consider the critical Riemannian metrics with a flat conformal structure for this functional., 2005年02月, 81, 2, 27, 29, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読あり, 英語, PROCEEDINGS OF THE JAPAN ACADEMY SERIES A-MATHEMATICAL SCIENCES, On critical Riemannian metrics for a curvature functional on 3-manifolds, M Katagiri, The normalized L-2-norm of the traceless part of the Ricci curvature defines a Riemannian functional on the space of metrics. In this paper, we will consider this functional on 3-manifolds., 2002年04月, 78, 4, 43, 45, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読あり, 英語, PROCEEDINGS OF THE JAPAN ACADEMY SERIES A-MATHEMATICAL SCIENCES, On the topology of the moduli space of negative constant scalar curvature metrics on a Haken manifold, M Katagiri, 1999年09月, 75, 7, 126, 128, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読あり, 英語, PROCEEDINGS OF THE JAPAN ACADEMY SERIES A-MATHEMATICAL SCIENCES, On compact conformally flat Einstein-Weyl manifolds, M Katagiri, 1998年06月, 74, 6, 104, 105, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読あり, 英語, Tokyo Journal of Mathematics, On the uniqueness of a Weyl Structure with Prescribed Ricci Curvature, Minyo Katagiri, 1998年, 21, 2, 453, 455, 研究論文(学術雑誌), 10.3836/tjm/1270041825
  • 査読あり, 英語, Tokyo Journal of Mathematics, On deformations of Einstein-Weyl structures, Minyo Katagiri, 1998年, 21, 2, 457, 461, 研究論文(学術雑誌), 10.3836/tjm/1270041826
  • 査読あり, 英語, Functional Analysis and Global Analysis, Estimate of singularities of the Yang-Mills gradient flow, Minyo Katagiri, 1997年, 162
  • 査読あり, 英語, JOURNAL OF THE MATHEMATICAL SOCIETY OF JAPAN, ON THE EXISTENCE OF YANG-MILLS CONNECTIONS BY CONFORMAL CHANGES IN HIGHER DIMENSIONS, M KATAGIRI, 1994年01月, 46, 1, 139, 147, 研究論文(学術雑誌)
  • 査読あり, 英語, Annual report of Graduate School of Humanities and Sciences Nara Women's University, A categorification for the dichromatic polynomial of graphs, Minyo Katagiri, 2022年03月, 37, 37, 111, 118, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • 査読あり, 英語, Annual Reports of Graduate of Humanities and Sciences, On the group of the dichromatic cohomology of graphs, Minyo Katagiri, 2024年03月, 39, 1, 15, 23, 研究論文(大学,研究機関等紀要)
  • 査読あり, 英語, Annual Reports of Graduate School of humanities and Sciences, A decomposition of the space of Riemannian metrics and Riemannian functionals, Minyo Katagiri, 2020年03月, 35, 113, 120
  • 査読あり, 英語, Annual Report of Graduate School of Humanities and Sciences Nara Women's University, A categorification for the flow polynomial of graphs, Minyo Katagiri, 2018年03月, 33, 113-121
  • 査読あり, 英語, Annual Report of Graduate School of Humanities and Sciences Nara Women's University, 奈良女子大学大学院人間文化研究科, Upper bounds for the Roman bondage number of graphs on closed surfaces, Minyo Katagiri, Let G be a simple graph, and its vertex sets is denoted by V (G). A set D V (G)is the dominating set if every vertex not in D is adjacent to at least one vertex in D.The minimum cadinality of a dominatin set of G is the dominationg number (G).Clearly, for any spanning subgraph H of G, (H) (G). The bondage numberof G, denoted by b(G), is the minimum cardinality of a set of edges B E(G)such that (G − B) > (G), where G − B is the graph with V (G − B) = V (G)and E(G − B) = E(G) \ B.A function f : V (G) {0, 1, 2} is a Roman dominating function if every vertexv for which f(v) = 0 is adjacent to at least one vertex u for which f(u) = 2. Theweight of a Roman dominating function is the value v V (G) f(v). The Romandomination number of a graph G, denoted by R(G), is the minimum weight of aRoman dominating function of G. The Roman bondage number bR(G) of a graph Gis the cardinality of a smallest set of edges B E(G) for which R(G−B) > R(G),where V (G − B) = V (G) and E(G − B) = E(G) \ B.In this paper, for a graph G on a closed surface M, we get an upper bound forthe Roman bondage number bR(G) of G by Euler characteristic (M) of M., 2017年03月, 32, 32, 119,124, 124

MISC

  • 査読無し, 日本語, 教育システム研究, 数学的活動を通じた数列学習の実践検討―高等学校数学科教育における高大連携授業研究の試み, 片桐民陽; 横弥直浩; 小林毅; 松澤淳一, 2016年03月, 12, 123-129

書籍等出版物

  • 科学の言語としての数学(LADy SCIENCE BOOKLET 8), 奈良女子大学理系女性教育開発共同機構, 片桐民陽; 吉田他, 2016年03月, 97,109, 日本語, 査読無し, その他

共同研究・競争的資金等の研究課題

  • 2010年, グラフ多項式のカテゴリー化に関する研究, 0, 0, 0, 競争的資金
  • 基盤研究(C), 2007年, 2009年, 19540082, 巾零幾何と巾零解析の展開, 森本 徹; 小磯 深幸; 荒川 知幸; 石川 剛郎; 古谷 賢朗; 待田 芳徳; 清原 一吉; 阿賀岡 芳夫; 木曽 和啓; 中西 靖忠; 片桐 民陽, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 3250000, 2500000, 750000, 巾零幾何・巾零解析の枠組みを基礎にして,群と幾何と微分方程式の三者が有機的に繋がり合う境地を見出し,その様相を解明してきた.特に,リー環の表現と線形微分方程式系と旗多様体での外在的幾何の三位一体ともいうべき緊密な関係を明らかにし,さらにリー環が単純なときには,そのリー環の表現に付随した,一方では可積分な線形微分方程式系の,他方では旗多様体の部分多様体の,不変量を求める一般的な方法を確立した., kaken
  • 基盤研究(C), 2007年, 2008年, 19540083, 幾何学的手法を基軸とした三次元多様体の研究とその広がり, 小林 毅; 山下 靖; 片桐 民陽, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奈良女子大学, 1950000, 1500000, 450000, 片桐ははリーマン計量全体の中の臨界リーマン計量に関して研究を行った. 山下は2元生成メビウス変換群と3次元双曲幾何学との関連について研究を行った。小林は三次元多様体のHeegaard分解, 写像類群を利用した流体の混合に関する研究を行った. これらに関して例えば, 高いHempel距離を持つHeegaard分解を許容する三次元多様体を境界で貼りあわせて得られる三次元多様体の既約なHeegaard分解は必ずこれらのHeegaard分解の融合(amalgamation)になっていることが分かった, 等の結果が得られた., kaken
  • 基盤研究(C), 2005年, 2006年, 17540077, 三次元多様体の幾何構造とそれに関連した様々な構造, 小林 毅; 山下 靖; 片桐 民陽, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奈良女子大学, 2200000, 2200000, 小林は結び目の外部空間のHeegaard分解に関する研究を行った.まず斎藤敏夫との共同研究で2つの結び目のトンネル系が与えられたとき、それらの結び目の連結和におけるこれらのトンネル系の和が安定化されたHeegaard分解を与えるための必要十分条件を与えた.またYoav Rieckとの共同で任意の自然数nに対してある結び目Kでそのコピーをn個連結和して得られる結び目nKに対してt(nK)=nt(K)+(n-1)が成り立つようなものが存在することを示した(但しここでt(L)は結び目Lのトンネル数を表す).この結果の帰結として結び目のトンネル数の超加法性に関する森元の予想の反例が構成できる. 有限生成群Gとその有限生成系Aを一つ固定する。数列{a_n}をa_n:=Gの要素gでAに関する語長がnとなるものの数、で定め、式形的巾級数g(x)=a_0+a_1 x+a_2 x^2+a_3 x^3+...をgrowth functionという.growth functionは有理式による表示を持つことが多いが、具体的表示を求めることは一般には困難である. 山下は中川義行氏、田村誠氏との共同研究で、2橋絡み目群(より正確にはConway表記から定まるWirtinger表示)のgrowth functionの有理式表示がどのようなものかについて、計算機実験をもとに予想を提出した. 片桐は与えられた多様体上のRiemann計量全体から成る空間上の変分問題,及びその上のフローについての研究を行った.特に,近年のRicciフローを用いた三次元多様体の研究に刺激され,Laplace作用素の固有値を始めとする様々な幾何学的な量から定義される変分問題や,それら幾何学的な量がフローによりどのように変化するかを調べた.また上記研究の共形幾何学的な研究を行った., kaken
  • 基盤研究(C), 2003年, 2004年, 15540073, 三次元多様体の様々な幾何構造の研究, 小林 毅; 山下 靖; 片桐 民陽; 市原 一裕, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奈良女子大学, 2100000, 2100000, 1.三次元多様体内の結び目の連結和のトンネル数に関する森元の予想に関する研究. 三次元多様体内の結び目Kのトンネル数をt (K)とかくことにする.いまm-smallな結び目のK_1,…,K_nの連結和#^n_i=1K_iのトンネル数に関して超加法性が成り立っていないとする.このとき{1,…,n}のある部分集合Iで#_K_iがprimitive meridianを許容するようなものが存在する,ことを示した. 2.三次元多様体内の結び目のトンネル数の増加率に関する研究. 三次元多様体Mに含まれる結び目Kに対してそれ自身のコピーの連結和を繰り返し行ったときそのトンネル数と連結和されたコピーの個数の比率を,その結び目のトンネル数の「増加率」と名づけこれに関して以下のような結果を得た. いまKの外部空間のHeegaard種数はMのHeegaard種数よりも大きいとする.このときKのトンネル数の増加率は1よりも小さい. 3.オートマティック群に関するGerstenの問題の研究 「オートマティック群は(1)有限群(2)Z+Z(階数2の自由アーベル群)を部分群として含む(3)語双曲群のいずれかになるか」Gerstenの問題に取組み「n-starred」というオートマティック構造のクラスをにおいてはこの問題が肯定的に解けることを示した。 4.ザイフェルト多様体のHeegaard gradientについてLackenbyはvirtual Haken予想解決の為の技巧としてHeegaard gradientと呼ばれる概念を導入し三次元双曲多様体がvirtually Hakenであることが,そのHeegaard gradientが消滅することと密接に関連していることを示した.本研究ではこれに関連してザイフェルト多様体について,そのHeegaard gradientがいつ消滅するのかを完全に決定した., kaken
  • 基盤研究(C), 2000年, 2002年, 12640071, 三次元多様体の表示とそこから導かれる幾何的情報について, 小林 毅; 片桐 民陽; 山下 靖; 落合 豊行, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奈良女子大学, 2800000, 2800000, 1.三次元多様体のgraphic 小林はRubinstein-Scharlemannによって定義されたgraphicを用いることにより、2橋結び目の外部空間のHeegarrd splittingを全てのgenusで完全に分類することに成功した. 2.結び目の外部空間を用いたHeegaard分解のstrong irreducibilityの局所定判定法 小林はYo'av Rieckと共同でstrongly irreducible Heegaard分解と三次元球面内の非自明結び目の外部空間との交わりついて解析しそれは結び目の外部空間内のmerdional annulusの和集合になることを証明した. 3.森元予想に関する研究 小林は三次元多様体内の結び目の連結和とそのトンネル数に関する森元予想をm-smallな結び目に関して考察した. 4.Heegaard分解の接着写像のDehn twistへの分解アルゴリズム 落合は,与えられたHeegaard分解を実現する,閉曲面上の向きを保つ自己同相写像を,標準的なDeh twistの積に分解するためのアルゴリズムを種数2のHeegaard分解に対して与えた. 5.Riemann多様体の計量のmoduli アインシュタイン計量(3次元多様体上では定曲率計量)は全スカラー曲率汎関数の臨界点として特徴付けられる.片桐は,スカラー曲率よりも情報を多く含むリッチ曲率を用いたリーマン汎関数について考察した.アインシュタイン計量はこの汎関数の臨界点となるがそれ以外にも存在することを示した.また臨界点がアインシュタイン計量となる十分条件を与えた., kaken
  • 萌芽的研究, 1999年, 2001年, 11874011, Schwarz微分の幾何, 小林 治; 片桐 民陽, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 1200000, 1200000, 今年度でようやく研究の方向づけができた。投稿中の論文が3編あるが、いまだ投稿中なので裏面にかけないことが残念である。今年度の研究の結果は、今後とりくむべき問題が明確になってきたことにある。 (1)Schwarz微分を用いて多様体のMobius幾何を展開すること、例えばHopf Rinuw型の定理「任意の3点を通す測地円が存在する」か?など基本的なところで未解決問題が多い。 (2)(1)と関係しているがMobius円の変分問題的特徴が不備である。 (3)本Schwarz微分はこれまでのものと異なり、共形的でない写像にも適用可能である。この点に注目すると異なる共形類の違いを定量的に表現する機能がある。これを用いて共形類のモデュライ、特に正スカラー曲率計量を含むもののモデュライの研究に役に立つ可能性がある。 (4)我々は2種類の新しいSchwarz微分を創出したが、本当に機能するものはこれらを統合的に一般化された第3のSchwarz微分であろう。 研究当初から未解決問題は多くあったが、それらの問題を解決するには至ってないがより深い理解ができたことが基本的成果である。, kaken
  • 基盤研究(C), 1998年, 1999年, 10640076, 低次元多様体の組み合わせ的構造, 小林 毅; 片桐 民陽; 和田 昌昭; 落合 豊行; 新出 尚之, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奈良女子大学, 3800000, 3800000, 最近の低次元多様体論は幾何学の枠を大きく超えて群論,関数論,力学系,そして数学以外の数理物理,計算機科学等の様々な分野との密接なつながりが見出されてきている.その中には,例えば,双曲的曲面のTeichmuller空間の座標を与えるTrain Track(Thurston),双曲的三次元多様体の理想的胞体による標準的分割(Epstein-Penner),ヤング図形によるヘッケ環の表現の構成(Jones),automaticな群の理論(Thurston),Hakenによる正規曲面の理論といった多くの(一般には非常に巨大な)組合せ的構造が見出されている.これに関して,最近の低次元多様体論の発展,コンピュータの発達等によりこれらの組合せて的構造を直接,具体的に取扱うことがかなり可能になってきているように思われる. 以上のような状況に鑑み本研究では特に2,3次元の多様体の構造を特に幾何的,組合せ的な観点から調べてゆくことを目指した.具体的には,次のような話題についての研究がなされた. ・三次元多様体,結び目の構造をHeegaard分解を通して(特にRubinstein-Scharlemannによる'graphic'と呼ばれる概念を用いて)研究する,その結果として結び目の結ばれていないトンネルの分類などに関して有効な情報を得る. ・三次元多様体の双曲構造を三次元多様体の三角形分割を用いて研究する.特に非常に単純な双曲構造から出発してそれを変形することにより2橋結び目の外部空間に双曲構造を入れる. ・三次元リーマン多様体のある種のリーマン計量のなすModuli空間の性質とその三次元多様体の幾何構造の間の関係について調べる. ・三次元多様体の与えられたHeegaard分解の接着写像を,標準的なDehn twistの積に分解するための(計算機で取り扱うことの出来る)アルゴリズムの研究., kaken
  • 基盤研究(B), 1997年, 1999年, 09440034, 多様体の幾何構造と大域解析, 小林 治; 藤岡 敦; 北原 晴夫; 児玉 秋雄; 加藤 信; 片桐 民陽; 石本 浩康; 山下 靖; 小林 毅; 落合 豊行, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 9200000, 9200000, 多様態の幾何構造は多くの種類があるが,我々が取り上げるのは主に共形幾何と関係の深いものである.以下に得られた結果の一部を述べる. 1.スカラー曲率方程式.これはリーマン計量の共形変換でスカラー曲率がどのように変換されるかを記述する方程式である.コンパクトでない多様体上でこの方程式の組織的な解析を行い,与えられたスカラー曲率をもつ完備な共形計量の空間について諸結果を得た. 2.ワイル構造.これは共形類が与えられているとき,この共形類を保ち捩率が0であるようなアファイン接続のことである.リッチ曲率がワイル構造の完全不変量であることが示された.またコンパクト共形平坦アインシュタイン-ワイル空間の分類を得た. 3.メビウス幾何.与えられた位相型をもつ球面上の正則閉曲線の最小頂点数を自己交点数が5以下の曲線に対して完全に求めた.また正則曲線に対するシュワルツ微分を新たに導入した.これによってネハリの単葉性定理およびその拡張に対して新たな証明を与えた.この議論の要点のひとつは曲線のおかれている多様体の共形構造からその曲線に積分可能な射影構造が導かれることにある.メビウス空間の曲線に対して,この曲線の射影構造から定まる射影展開写像の単射性から,この曲線のはめこみ写像の単射性が得られることを示した., kaken
  • 奨励研究(A), 1996年, 1996年, 08740055, 共形構造と接続の幾何学に関する研究, 片桐 民陽, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奈良女子大学, 1000000, 1000000, 20世紀初頭,ワイルは統一場理論を定式化する上で,リーマン多様体の一般化として,今日,ワイル多様体と呼ばれる概念を導入した.物理現象の記述の可能性は別として,ワイルの理論は数学的には興味ある対象であると考えられる.ところが,現代的立場に立ったとき,今世紀における,大域解析学を用いたリーマン幾何学の発展と比較すると,ワイル多様体の幾何学は置き去りされてきた感がある.本研究の問題意識は,共形構造と接続の幾何学として,ワイル多様体の,近年の大域解析学の技術を用いた展開を試みることにあった.今年度に行った研究により得られた研究成果は以下のとおりである. 1.アインシュタイン計量におけるアインシュタイン・ワイル構造の変形についてのある種の剛性に関する研究. 2.ワイル構造に対する,リッチ曲率の完全不変量としての特徴付け. 3.共形的に平坦なアインシュタイン・ワイル多様体の分類. これらの結果は,今後,この研究を進めて行く上で,基礎的な部分を占めるものであると考えられる.更に,今年度,本研究を行うことにより,アインシュタイン・ワイル構造に対する,ある不変量と作用素が,これらの研究を進めて行く上で非常に重要な対象である,ということを認識するに至った.基礎的な問題であるにも関らず,今年度の本研究で明らかにされなっかた問題についても,上に述べた不変量や作用素をより詳しく調べることにより,新たな視点を与えるものであると考えられる., kaken
  • 一般研究(C), 1995年, 1995年, 07640114, 低次元多様体の組合せ的構造の研究, 小林 毅; 篠田 正人; 片桐 民陽; 和田 昌昭; 小林 治; 落合 豊行, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奈良女子大学, 2400000, 2400000, 今年度の研究により次のような結果が得られた。 1.低次元(2,3,4次元)の多様体の構造の幾何的観点からの研究. 曲面上の(単純でない)閉曲線のガウス語から閉曲線の正則ホモトピー類の不変量を構成した(小林(治),なお,この結果に関しては1996年度日本数学会年会で報告の予定).結び目の(通常の)数種と,canonicalな種数,freeな種数は本質的に異なるものであることを明らかにした(小林(毅)).三次元球面内の結び目に対して“局所的にthin"と呼ばれる概念を定義し全ての結び目はその様な位置にもって行けることをアルゴリズム的に証明した(小林(毅),なお,この結果に関しては加太で行われた集会“結び目の諸問題と最近の成果"で報告が行われた).3次元多様体のHeegarrd分解に関する結果を拡張して2橋結び目の種数の1の1橋表現は標準的なものしかないことを明らかにした(小林(毅)). 2.低次元(2,3,4次元)の多様体の構造の組み合わせ的観点からの研究. pre-Sierpinskiガスケット上のパーコレーションに関する研究(篠田,この結果に関しては関西確率論セミナーで報告が行われた).W-graphを利用してヘッケ環H(q,n)の表現をn=15まで書き下す方法を与えた(落合.これに関しては賢島で行われた研究集会“Art of low dimensional topology"で報告が行われた).双曲的三次元多様体の理想的単体による分割が理想的な単体による分割に細分される為の十分条件を求めた(和田,山下)., kaken
  • 一般研究(C), 1994年, 1994年, 06640141, 共形構造及び射影構造に関する幾何学, 小林 治; 山下 靖; 和田 昌昭; 静田 靖; 片桐 民陽; 落合 豊行, 日本学術振興会, 科学研究費助成事業, 奈良女子大学, 1900000, 1900000, 球面上の閉曲線のトポロジーと幾何については,すべての自己交点において2つの単純ループに分解可能な閉曲線の最小頂点数を決定した。この結果により自己交点数が5以下のすべての閉曲線の位相型について最小自己交点数が明らかになった。この研究と関連してトーラス上の閉曲線の回転指数についての新たな公式を得た。これは正則ホモトピーについての結果であり,今後の高次元化へ進む足がかりとなりうるものである。 共形変換で不変な変分問題に関する研究として,研究分担者の片桐はYang-Mills接続の存在定理を5次元以上のRiemann多様体において示した。これは5次元以上ではこの変分問題が共形変換での不変性を失うことに着眼点をおき得られたものである。 射影構造に関する内在的な幾何の研究については研究は継続中である。射影反転の多様体での定式化がこの報告書を書いている時点での課題である。 双曲幾何に関しては,関連する3次元多様体論,結び目理論から分担者の落合,山下,和田による成果があった。落合,山下は結び目理論研究支援システムの設計を行い,また和田は新たな結び目不変量を定義し,それによって樹下・寺阪結び目とConway結び目が区別できるという成果を得た。, kaken


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